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目的: Global Digital Access

  本プロジェクトは、東京の 青山学院大学 が所蔵する貴重書へのオンライン アクセスを促進することを目指しております。図書館システム内の貴重な聖書やその他の宗教版のデジタル化に重点を置いています。ワシントンにあるフォルジャー・シェイクスピア図書館( Folger Shakespeare Library )と提携し、 Aoyama Vision Initiative の支援を受けて2018年に開始され、現在も青山学院大学による組織的支援を受けて継続しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、一時は活動が停滞していましたが、現在、 青山学院大学情報メディアセンター と同大学の 人文科学研究所 からの寛大な支援により、活動を再開しています。 Biblia Latina  (1478) 青山学院アーカイブ は 大学図書館システム と提携し、歴史的に重要な資料を数多く所蔵してい ます。この資料にはラテン語や日本語、英語、その他の言語で書かれた宗教書の貴重な印刷版が含まれます。青山学院大学図書館に所蔵されている貴重書は、日本にあるキリスト教の貴重作品群の中でも特に状態の良いものとなっています。また、図書館科学、宗教、 (シェイクスピアに焦点を当てた) 近世研究 におけるデジタル開発に関連する講演者を主催し、対面またはオンラインでイベントを開催します。 このように、 プロジェクトチーム によって良い保存状態を保つ努力がなされ、私たちが所蔵する貴重書が1ページずつ、詳細な注釈がつけられながら、デジタル化・カタログ化されています。青山学院資料センターの職員の皆さまには本プロジェクトを支援いただき、厚くお礼申し上げます。あわせて、私たちは青山学院宗教センターとも緊密に活動しており、宗教礼拝に対して差別なく、宗派を超えたアプローチをするうえで宗教センターに支援を受けています。 グローバルデジタルアクセス 日本の歴史における新たな時代の幕開けにあり、デジタル時代の成長を続ける中で、オンラインでも閲覧可能な選定版を作成することによって、特別な作品群に誰でもアクセスが可能な環境を作りたいと私たちは願っております。この目標の達成のため、青山学院大学はこのほどフォルジャー・シェイクスピア図書館( Folger Shakespeare Library )と提携を結びました。フォルジャー・シ
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講演とイベント

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、 対面での講演会やイベントを開催することが難しくなりましたが、このプロジェクトでは稀覯本のデジタル化以外の試みへと活動を広げることになりました。2020年より引き続き2021年も、  Speaking of Shakespeare と題してオンライン上で連続の対話をおこない、公開していきます。(映像の CC をクリックすることで英語字幕を表示することができます。 2022 年 6 月におこなった、ハーバード大学の Stephen Greenblatt に彼の著書 The Rise and Fall of Adam and Eve と私たちの使命である宗教的なテーマについての対話: トークの全編はこちらから:  Speaking of Shakespeare ノースカロライナ州立大学の John Wall と初期近世ロンドンのセント ポール大聖堂をデジタルで再現した Virtual St Paul's Cathedral Project についての対話:   エピソードの全編はこちらから:  Speaking of Shakespeare 2022年10月におこなった、オハイオ州立大学の Christopher Highley 。こちらは、 初期近代ロンドンの地図をデジタル化されたものについての短いク リップ: エピソードの全編はこちらから:  Speaking of Shakespeare 2022年3月におこなった、フォルジャー・シェイクスピア図書館のPeggy O'Brien 氏との対話 2021年7月におこなった、バーミンガム大学シェイクスピア研究所のTiffany Stern 氏との対話 2021年4月におこなった、フォルジャー・シェイクスピア図書館の協力により進められているプロジェクト  Lost Plays Database の編者の1人、David McInnis 氏との対話 2021年5月におこなった、 Digital Renaissance Editions など多くのプロジェクトに関わっているBrett Greatley-Hirsch 氏との対話 以下は2020年10月から2021年2

プロジェクトチーム

本プロジェクトチームは、ワシントンDCのフォルジャー・シェイクスピア図書館( Folger Shakespeare Library )のデジタルアクセスチームと合同でこのプロジェクトに取り組んでいます。また、青山学院大学の宗教委員会とも密接に提携しています。本学の宗教委員会は、分け隔てなく特定の宗派に偏らないキリスト教へのアプローチの促進を促しています。 本プロジェクトでは、実物の本をオープンアクセス用のデジタル画像に変えるために技術的な面で努力をしていますが、これは写本に収められた作品を再生産し流通させるために可動活字(movable type)を使っていた15-16世紀の初期印刷業者たちが重ねていた努力と基本的に違いはありません。初期近代に印刷された本や写本を今現代の全ての人に利用可能にするために、手作業による細心の注意を必要とする取り組みを継続しています。 チームメンバー ダブズ トーマス, Thomas Dabbs: 共同研究者 青山学院大学文学部英米文学科教授。シェイクスピアと英語聖書の授業を担当する。また、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会(JJADH)の論文誌『デジタル・ヒューマニティーズ』の次期編集長。専門分野は初期近代演劇と宗教。 笹川渉: 共同研究者 青山学院大学文学部英米文学科教授。17世紀初期の詩や、シェイクスピアやその他の詩人、特にジョン・ミルトンの作品に焦点を当ている。最近の研究の関心は、デジタルの方法を使って行う初期近代の印刷の歴史と内乱期の王党派の詩集。 外岡尚美: 元研究責任者 青山学院大学文学部英米文学科教授。元副学長。青山学院大学のプログラムと新たなグローバル構想をより広く周知させるよう活動し、本プロジェクト設立のために中心的な役割を果たした。専門分野はアメリカやイギリスの演劇に主眼を置いた、ジェンダー研究と異文化研究。 長山 アビゲイル 美香: デジタル化プロジェクト研究補助員 青山学院大学、文学部英米文学科に在学。本プロジェクトではデジタルアーカイブの発展と索引作業およびウェブサイト管理を担当。卒業後、青山学院大学大学院に進学し、アメリカのゴシック文学とホラー文学の研究を続ける予定。 フィルソン サスキア 琴音: デジタル化プロジェクト研究補助員  青山学院大学、文学部英

学院所蔵の揺籃期本 Biblia Latina (1478)

AGUデジタルアクセスチームは、青山学院が所有している15世紀の聖書、 Bible Hieronymi  ( Biblia Latina ) をデジタル化しました。 フォルジャー・シェイクスピア図書館 (Folger Shakespeare Library) のプラットフォームMiranda の改良の後、フォルジャー図書館の協力により Bible Hieronymi  ( Biblia Latina ) の全ページを閲覧 、ダウンロードすることができるようになる予定です。現在はMirandaのビューワーで、冒頭のイメージを閲覧することができます。 この聖書はヒエロニムスのラテン語聖書のうちでも初期の版で、この本を含めた現存する所蔵の一覧は大英図書館の インキュナブラ・ショート・タイトル・カタログ で見ることができます 。 以下に、『青山学院資料センターだより』( Aoyama Gakuin Archives Letter )に掲載された、元本学英米文学科 武内信一教授による解説を掲載します。 グーテンベルクが活字印刷術を実用化してから本格的な活字印刷本の時代を迎える1500年までを一般に揺籃期本( Incunabula) の時代と呼び、写本中心の時代から活字印刷本の時代に移り変わる過渡期の時代を意味する。わずか50年ほどの期間におよそ4万タイトル(1200万冊)が出版されたが、その多くは消失し、現存しても断片として存在するのみである。最も有名な『グーテンベルクの聖書』でさえ、現存するのは不完全本を含めても49冊にとどまると言われている。また、その数に希少に加えて、揺籃期本は中世の(装飾)写本から近代期の活字印刷に移行する様子を物語る書物史の歴史資料としても極めて価値の高いものである。青山学院所蔵の Biblia Latina   『ラテン聖書』(1478)もそのような揺籃期の一冊である。その購入の経緯は『青山学報』(第62号)に詳しいので省略するが、 Ludovici Hain  の Repertorium Bibliographicum   『書目索引』( *3070 , 1826)によれば、1478年にベニスで印刷されたものである。二つ折り判 (Folio) にダブルコラム組、各コラム53行で印字され、全体で454葉か

追加資料

2021年の秋、フォルジャー図書館がミランダ・プラットフォームに2版を追加しました。その1つはラテン語版聖書のBiblia Sacra (1662)で、全文を オンラインでご覧いただけます 。 Biblia Sacraは Antonius Vitréにより17世紀にパリで印刷され、当時の王によって公認された長大な版本です。大きさは44センチメートルで、ページ数は700ページを超えます。ラテン語で印刷され、当時の多くの文献と同様に、ページ番号に誤りが散見されます。この版には地図が含まれています。 もう1つはMilton's History of Britain (1670)です。この文献は著名なイギリス詩人による歴史書で、こちらも全文を オンラインでご覧いただけます 。 「その起源は複雑で判然としない。おそらくMiltonは1647年に執筆を開始したのだろう。この年は第2次大内乱の勃発直前だった。彼は1649年初頭に政府の外国語秘書に就任し、第4版の執筆を中断した。彼が執筆を再開したのは1655年から1657年の間と考えられ、書きかけだったヘイスティングズの戦いの物語について筆を進めていった。もっとも彼は、自身が生きている時代まで記述を完成させていくつもりだったのであるが。出版用に書物を準備するにあたって彼はいくらかの調整を施したと思われるが、当時の彼がその本を発行することをなぜ決めたのか、今となっては知る由もない。また、政治的危機の最中にあってMiltonの関心が時事に向いていたと当然考えられる中、長大な国史の記述に取りかかることを決めた理由についても不明である。歴史書の背景にある動機となる信条は、各時代を通したイギリス人の国民性を評価し、イギリス史上の重大な局面において、政治的自由によってもたらされた試練に彼らがいかに対応していったかを検証することであると考えられる。」 ––Graham Parry,  The Milton Encyclopedia . Yale UP, p. 151.

次のステップ

16世紀の書物のデジタル化も進行しており、多くのイラストを含む小さい新約聖書などもあります。 Novum Testamentum (1539) それらの中で1番最初の版は Novum Testamentum と呼ばれるもので、パリでFranciscus Gryphiusによって1539年に印刷されました。新約聖書のテーマや内容を表した多くのイラストが含まれています。 Testamenti Novi (1564) 2番目の小さな書物はTestamenti Noviであり、時期にデジタル化する予定です。こちらはシェイクスピアが生まれた年である1564年に、LyonでSebastian Gryphiusによって印刷されました。こちらも新約聖書に基づいた多くのイラストが掲載されています。 その両者とも、載っているイラストはとても細かく描写されており、肉眼で見ることは困難です。それらをスキャンし高精度な画像にデジタル化することで、読者はイラストをよく見ることができ、16世紀当時の印刷物の美しさを知ることができるでしょう。

進行中: Testamenti Novi (1564)

挿絵入りの小型新約聖書。繰り返しを含め、 90 以上の挿絵が収録されています。リヨンの印刷者セバスチャン・グリフィウス(1493-1556)が 1537 年に最初に出版した版には、挿絵は「使徒行伝」と「黙示録」の部分のみに収録されていましたが、以後の版より大幅に挿絵が増やされ、 1539 年・ 1540 年・ 1541 年・ 1542 年と版を重ねました。 1539 年の本エディションは、多数の挿絵を収録した最初の版になります。 本書は1542年に出版され、グリフィウスの死後も後継者により続けられた印刷所で刊行された 1564 版です。 タイトル・ページにグリフィウスを描いたプリンターズ・マークが入っています。グリフィウス は、ヨーロッパの多くの地域の学校教科書を手掛ける大手出版業者であると同時に、ラブレーら人文主義者たちの著作を多く出版しました。 イエスが起こした奇跡やたとえ話、またエルサレム入城、磔刑、復活などの場面を描いた挿絵が多数収録されています(繰り返しを含む)。グリフィウスは 1641 年には八折版の旧約・新約聖書を刊行していますが、本小型版には、八折版にはない挿絵が2枚含まれています。 マタイによる福音書の第 11 章部分にあたる第 17 葉(折丁 C1 )が欠けていますが、挿絵は全て揃って います。 イエスの奇跡、病人をいやす場面(p. 29)   エルサレムに迎えられる場面(p. 76) イエスの磔刑(p. 110) イエスの復活(p. 114)